平成26年11月30日〜平成26年12月6日


　　
１.アメリカ・カナダ博物館めぐりの旅　

B&O鉄道博物館　その１

by　関　秋生　君

今回はボルティモア・エンド・オハイオ鉄道博物館（B&O　Railroads)を紹介します。 　ワシントンから60�qほど離れたメリーランド州ボルティモアにあります。 　ワシントン・ユニオンステーションからAmtrakに乗ってボルティモアまで行き、駅からタクシーに載って20分くらいでしょうか。8ドルで行けました。 　 　B&O鉄道博物館の外観 　大きなドームの中に機関車多数が展示されています。 　1830　親指トム号(レプリカ） 　B&O鉄道の黎明期、同社の経営陣と株主はボルティモアの将来は鉄道にかかっていることを知っていました。 　ボルティモアの経済的な成功を期して、株主にして発明家でありビジネスマンでもあったピーター・クーパーがアメリカのでこぼこな地形にあった蒸気機関車を開発をしました。 　この機関車は1830年8月28日B&O鉄道の役員を乗せて運転しました。時速10~14マイルで運転され、アメリカの地形でも安定して運転できることを証明したということです。 　後に、その小ささからトム・サム(親指トム）と呼ばれるようになりました。 　この機関車は6か月間乗客を運びましたが営業運転には使われませんでした。 　トム・サムはアメリカの最初の蒸気機関車です。 　このレプリカは1927年に作られたものです。 　　No.2　Atlantic 　1831年6月1日、B&O鉄道は、そこに使用する蒸気機関車を選ぶためのコンテストを実施します。一位に選ばれたのがペンシルベニアの時計屋で発明家のフィニー・デイビスと仲間のイズラエル・ガートナーです。 　彼らは1832年グラスホッパータイプの蒸気機関車No2.アトランティック号を開発しました。 　グラスホッパーとは垂直に動く蒸気機関のロッドの動作がバッタに似ているところから来ています。 　このタイプの機関車はすぐに時代遅れになり1840年には表舞台から姿を消しました。 　 B&O鉄道は開業時、客車を馬車メーカーに造らせました。リチャード・イムレイ（R.Imlay)は駅馬車に準じた客車を造りました。この客車は2階建てで、二階の乗客は蒸気機関車から流れてくる燃えカスに悩まされました。 　この客車は1830年頃造られたものを1927年に複製されました。 　この後、鉄道会社は旅客が車内を歩きたがることを知り、四角の真ん中に通路があり、両側に椅子を配置した客車へと発展していきます。 　ジョン・ハンコック号　John Hancock 　ジョン・ハンコックは1836年に製造されました。この機関車はグラス・ホッパーの発展形で、機関士室を設けたり動輪が二つになりました。ジョン・ハンコックは最初のアトランティックに比べて二倍の重さになりました。ジョン・ハンコックは後に入換機関車になりましたが、1836年から1892年まで運転されました。 　1850年代、B&O鉄道は蒸気機関車に名前を付けるのをやめ、番号であらわされるようになりました。No.8　John Hancockの呼称はNo.8とだけ呼ばれるようになりました。1884年番号の付け替えが行われ、No.8は当時存在する三番目に古い蒸気機関車だったためNo.3となりました。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく