一日の行程分を週替わりで紹介していますが、今回は旅の3日目、8月10日でMissouri州RollaからLebanonまでです。この日は朝から雨模様で、Arlington付近で相当ひどくなり、I-44に乗った時は前が見えないくらいの土砂降りでした。午後も昼食後小止みになるまで駐車場で待つようでしたし、Gasconade Bridgeでは落雷が近づいてきてちょっと怖かったですが、Waynesvilleではカッと晴れて暑かったです。午後には小さいですが博物館を二ケ所見ていろいろとご紹介してますのでご覧ください。

　　　Burns Army Surplus (Doolittle):               撮影2017年8月10日

　 朝一発目のアトラクションで、US Armyの放出品があるとのことで面白そうなので寄ってみました。ここで少々小遣いを使ってしまいました。

　　　　　　　　Cooking From Scratch (Doolittle):
　　　　　　　　　　　
　大きな鶏が赤い79 El Caminoに乗っている看板のガソリンスタンド兼レストランです。写真を撮りに寄りました。

　　　　　　　　　　　Arlington Outer Rd入口:

　ここを曲がると先はGhost townで行き止まりということが分かっているのですが、廃道探索のため敢て行きます。あらかじめGoogle 地図で確認したときは、角の家に置いてある目印のトラックは錆びた70 FORD P/Uだったのですが、白い47-53 CHEVY P/Uに変わっていました(こちらは現役の様ですが)。

　　　　　　　　Vernelle’s MotelとAntique Shop:

　Arlington Outer Rdを進むと右側に広い整地された草地が見えてきます（部分的に舗装されています）この写真のVernelle’s Motelと、Arlington Outer Rdとの間には4車線道路相当のだだっ広い場所があるのですが、通行に供されていません。謎なので、帰ってからEZ66 guideの著者Mr. Jerry McClanahanに尋ねてみたところ、以前フリーウエイI-44建設に伴って作られた道路だそうで（予定地が変更された？？）、その時にこのモーテルも北側に移動したとのことです。また、過去のRoute 66ではないとのです。現在、I-44はこのずっと北を通っており、今、Arlington Outer RDはGhost Townだけへの行き止まりの道なので、沿道は寂れる一方のようです。また壊れた廃墟が少し南側の森の中にもあるようです（John’s Modern Cabins）。

　ちなみに、このモーテルは、車が二台ほど停まっているし、玄関に電気が灯いているので、営業中のようです。

　　　　　　　　　　　謎の舗装路（Vernelle’s Motelの前）：

　道路のモーテル側に行ってみましたが気味が悪いのでこれくらいでここの探索を止めました。

　　　　　　　　　　　　Arlington Ghost town:

  Arlington Outer Rdを進むとI-44の下を抜け、正面にArlingtonと大きく書いたコテッジが見え、道は行き止まりになります。細い道が建物の裏を周り、Gasconade 川のほうへ行けるようですが、気味が悪いのでやめました（雨がひどく振っていたので歩いての探索もしませんでした）。でもこのGhost Townでこれから生活しようとしているらしい家も見かけました（改築中）。アメリカの人は独立精神が強いというか、周りに住人がいなくても、生活できるようです。ところで、この写真の左手を流れるLittle Piney 川を渡り、対岸のRoute 66（現HWY D）へ繋がる橋があったはずなのですが、その痕跡は見つかりませんでした。これもMr. Jerry McClanahanに尋ねると、過去にいくつかの橋はあったものの今や痕跡は殆どないとのことでした。

　Little Piney 川を渡る橋が無いので一旦Arlington Outer Rdを引き返し、I-44を一区間だけ西に走って元Route 66（現Hwy D）を東方向（Jerome村方面）に戻ると、沿道の林のなかに、Trail of Tears Memorialという施設の廃墟があります。

　　　　　　　Larry Baggett's Trail of Tears Memorial入口：

　Trail of Tears「涙の道」というのは1838年アメリ合衆国のチェロキーインディアンを、後のOklahoma州となるインディアン居留地に強制移動させたときのことを言うそうで このとき15,000名いたチェロキー族のうちおよそ4,000名が亡くなったそうです。それを忘れないように作った施設のようです。行進に打ちひしがれた、いくつかの人物像が見えました。入り口には2018年４月の開園に向け修復中と書いてあり期待が持てます。

　　　　　Larry Baggett's Trail of Tears Memorial門の看板の拡大：
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　Missouri州特産の石灰石を使ったものと思います。

　この施設から少し東に行くとFOOD, hand made GIFTの看板を掲げた廃墟があり、Stoney Dellの入り口はここにあったようです。

　　　　　　　　　　　　　　Stoney Dell Resort:

　Stoney Dellは1930～40年代に、Arlingtonで大変に繁盛したリゾートだったそうです。第二次世界大戦で近くの陸軍Fort Leonard Woodの兵士や、新型の自動車が盛んに走るRoute 66で週末にはこぞってこのリゾートにやってきたそうです。

Stoneydell Resort (絵葉書より複写):

　二人の水着美人がポーズする写真ですが、Ozark石で美しく作られた巨大なプールやレストラン、サービス施設、10棟の離れがあったそうです。客は休暇中の兵士や、教会関係者が多かったそうですが、法務官もここに常駐していたそうです。

　Arlington村の西対岸にあるJerome村を少し見てから進路を再び西に取り、I-44の南側側道County Rd Zを行くと突然4車線道路になります。

　　　　Hooker Cutと 4車線Route 66 (1926年頃の絵葉書より複写)：

　昔は道は地形に沿って作られていたので くねった川と台地が多くあるMissouri州はアップダウンも含めてくねった道が多かったようです。道を平らで真っ直ぐに通すために岩が掘られました。地域の村の名前にちなんで、Hooker Cutと呼ばれました(日本語で言えば切通しです)。この4車線Route 66の崖は27mもあり、開通時はMissouri州で一番大きな岩だったそうです。

　　　　　　　　　　　Hooker 村の道 (Trout Rd):　

　Trout Rdへ入ってみました。Hooker Cutで道が真っ直ぐに通るようになったので山の中のHooker村へは立ち寄る人もなくなり寂しい限りです。

　　　　　　　　　　　こんな林の中に57 Chevyが！：

　一軒家と物置小屋の前の草むらに一台のクラシックカーが置いてありました。ナンバープレートは無いのでRoute 66アトラクションとしてのサービスと思われます、ニクイですね。

　　　　　　　　　　　Devils Elbowへの入口：

　再度４車線Route 66(County Rd Z)へ戻り、少し先に進むと、Devils Elbowへ行くbyway左折の案内標識があります。

　　　　　　　　　　　1923 Bridge, Big Piney River:

　1923年の橋です。道がくねくねと曲がっていた時代の物で、戦時中に輸送効率が良い真っ直ぐな4車線のHooker Cut通りに取って変わります。

　Devils Elbowの由来はこの橋の少し下流で川が肘のようにきつく曲がっています。山で切った材木を川に流して運ぶ時に、あまりにもカーブが急で材木が渋滞を起こしてしまうような場所だったので「悪魔の肘」と呼ばれるようになったそうです。Route 66も旧道は川に沿った曲った道だったので、Hooker Cutから見ればこの道も「悪魔の肘」だったかもですね。

　　　　　　　　橋の上からDevils Elbow 方面を見る：

　急カーブの頂点は見えませんが、この先が肘です。

　　　　　　　　　　　　　Elbow Inn Bar & BBQ:

　Devils Elbow付近で唯一活気を見せる施設です（1929年から営業）。ウエブで見ると店内の天井から、無数のブラジャーがぶら下っている写真がでていたので一度見たかったのですが、あいにくこの時は店内改装中で入れませんでした。

　　　　　　　　　　　　　　Sheldon’s Market:

　橋を渡った左にある村のマーケットと郵便局ですが、ここも改装中で誰もいませんでした。尚、ちっとも知りませんでしたが、今年5月この地区に大洪水があって、大分水に浸かってしまったようです（今日ネットで知りました）それで改装が必要となったのでしょう。

　この後「悪魔の肘」を直接確認したくて、近くを歩いてみましたが、森があって川縁には近寄れませんでした。

　Big Piney 川の上流には新道であるHooker Cutのある4車線Route 66が真っ直ぐ通っており、長い橋が架かっています。どんな様子か一応見てきました。

　　　　　　　　　４車線Route 66の Big Piney Bridge:
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　橋も4車線の大きなものでした。

　　　　　　　　　　　４車線Route 66の Big Piney Bridge:

　やはり「アメリカの背骨」としてはこちらのがふさわしいでしょう。

　このCounty Rd Zをまた西に進みます。

　　　　　　　　　　　Uranus Fudge Factory:

　St Robert市の近くで、駐車場をRoute 66的なアトラクションで飾ったショッピングモールのようなところがあります。

　Missouri州は土地が平坦なためか、あちこちで給水塔を見ますが、このようなとんがり帽子の木製樽の給水塔は初めてです（これは模型でしょうが）。

　　　　　　　　　　　　Uranus Fudge Factory:

　49年型Chevyパトカーと二階建てバスと水汲み風車ポンプ。49年式米車はいわゆる戦後型ですが、可愛くていいですね。運転席には骸骨になったお爺さんが座っていました。

　　　　　　　　顔出しパネル、大型動物のお尻の穴バージョン:  

　ここの顔出しパネルは大型動物のお尻の穴でした。

　ショッピングモールにはお土産屋もありましたが、見ただけで買わずに出てきました。

　St Robert市に入り、I-44のExitを北に越えた所に今日の食事処Route 66 Dinerがあります。

　　　　　　　　　　　　Route 66 Diner:

　ステンレスとガラスを多用したいかにもFiftiesな外観のDinerです。

　　　（同内部）Fiftiesを代表する映画スターとCorvetteのイラストと:

　中も らしい雰囲気満載です。今日はRt 66 Burgerを食べました。

　　　　　　　　　Fort Leonard Wood Visitor’s Center:

　今日の午後の見学の眼玉は、陸軍Fort Leonard Wood内にある3つの博物館（Engineer Museum, Military Police Corp Museum, Chemical Corp Museum ）だったのですが、このVisitor’s Centerで聞いてみるとエスコートが無いと入れませんと断られました。Webで事前調査したときは一般公開していると書いてあっただけなので大丈夫と思っていたのですが、とても残念でした。

　諦めて、時間が余った時の予備として調べてあったSt Robert市自治センター内の博物館を見ることにしました。

　　　　　　　　　　St Robert Municipal Center:

　St Robert市は比較的新しい市で市内にUS陸軍のFort Leonard Woodを有し、戦後になって市となった都市で、基地のすぐ北にあり、この建物の中に市役所や警察があります。

　　　　　　　　　　　　St Robert City Museum:
　　　　　　　　　　　　
　Municipal Center内に展示があると分かっていたので入ってみると、部屋はあったのですが閉まっていて真っ暗です。隣の部屋の受付の女性に聞くと「では担当者が今、来て開けます」とのこと。来訪者がある時だけ開館するようで、玄関を出て渡邉君を呼んでいるうちに開けてありました。

　　　　　　　　　　　　　City Museum内部：

　市の歴史などに関するこじんまりとした展示です。

　おっ！　ストックカーレースに関する展示がありました。こんな小さな市でもレースが開催されたのですね。

　　　　　　　Fort Leonard Wood Speedway 空撮（展示の複写）：

　西から東方向を見る。Missouri AveとHub Restaurantは現在でもあります。

　この報告をまとめながらGoogle地図で調べてみるとSatellite写真で下のようにSpeedwayが見つかりました。

　　　　Fort Leonard Wood Speed Way (2017年Google撮影):

　現地で分かっていれば、草を分け入って探検に行ったことでしょうが…。

　　　　FT. Wood Speed Way拡大写真 (2017年Google撮影):

　Google航空写真の尺度でみると楕円トラックの長径は1.4km程度しかなく、レーストラックとしては相当小規模だったことが分かります。

　　　Official Pace Car の66(or 67) Buick Skylark（展示の複写）:
　　　　　　　
　リヤサイドに書かれたOverhoff Buick Co.がペースカーのスポンサーのようで、Missouri州Rollaから来たようです。そしてFt. Wood Speedwayの下にWaynesville, Moと書かれているので、St Robertはこの時まだ独立した市ではなく、Waynesville市の村だった可能性があります。

　　　　　　65 Chevy Impala (Dale McMurtrey)（展示の複写）
　　　　　　　　　
　勝利のチェッカーフラッグを持って走るDale McMurtrey　(ローカルドライバーだそうです)の65 Chevy Impala。

　これらの写真に写るレース車の年式から少なくとも60年代の後半までは開催されていたようです。

 　次の街、Waynesvilleへ進みます。

　　　　　　　　　　　Frog Rock (Waynesville):

　Waynesvilleの街の手前のRoute 66右崖の上にこんな蛙の形をした岩があり、きれいに着色されています。最初は行き過ぎてしまったので、Uターンして戻って路肩に車を停め写真を撮りました。この道は追い越し禁止で且つ2車線しかないところで、駐車場もなかったので、渡邉ドライバーは運転席に座ったままで、三輪だけが降りて写真を撮っていたら、後ろに付いた車からSherriffが降りてきて「ここは停車禁止だから、すぐに行きなさい」と注意されました。注意だけで済んでよかったです。直前に、街の入り口付近の速度制限25MPH違反で捕まる車を見ましたし、この街は違反の取り締まりが結構厳しいようです。

　　The Old Stagecoach Stop Museum, Waynesville :

　ここは駅馬車の停車駅でしたが、西部に向かう疲れた旅行者の居酒屋でもありました。1862年南北戦争中は病院として使われ、戦後はホテルに改装されて、後の半世紀間使われたそうです。今は博物館となっており、当時の服装をした若い女性が案内してくれるとWeb情報でしたが、この時期は土曜日しか開いてないそうで、中に入れませんでした。

　　　Pulaski County Museum (1903 Court House):

　1903年に建った裁判所の建物を使った博物館でPulaski郡の開拓、南北戦争、Route 66の歴史などが展示されているそうです。ウイークデーは予約でしか入れてもらえないのですが、今回Fort Leonard Woodの博物館を見るつもりでいたので、ここは予約してなかったので建物の周りだけ見て終わりました。

 

　次に街の奥の骨董屋さんを覗いてみることしました。一軒家のお屋敷です。

　　         　Talbot House Antiquesのご主人と：

　ここの骨董屋さんは室内の飾り物を主に扱っていました。ご主人は朝鮮戦争に出兵し横田基地などにも駐留したことがあるそうで、日本を懐しがっていました。

　三輪はここでRoute 66の標識模型（実物より少し小振り）を、今回の旅行を含め走ったことのある州名が入ったものを全部買いました（骨董品ではありません、アルミのお土産グッズ）。

　帰宅してから廊下の壁に並べて張りましたが、こうすると後走っていないTexas以降Californiaの間を走らねばという気になってきますネ。

　               　1923 Rubidoux Creek Bridge:　　　
　Waynesvilleの出口の橋で相当古い橋ですが、走っていると欄干があるだけなので古さはあまり見えません。なお、橋の袂には”Trail of Tears, National Historic Trail”の看板が建っていて、前のほうで書いた「涙の道」の一部であるようです（看板はチェロキー語も併記されていました）。

　渡邊ドライバーは三輪が橋の写真を撮る間、またおまわりさんに捕まるといけないので橋の袂のGun shopの駐車場に停まっていましたが、駐車場を使った手前、そのまま離れるのも何なので店内に入って商品を手に取って構えさせてもらうのでした。

                           Winchester銃を構える：

　子供のころから憧れているWinchester銃を触らせてもらいました。西部劇によく出てくるColt 45と共通の弾丸の銃ではなく、すこし小型の口径だそうです。

　Waynesvilleを離れ、次に行きますが、BuckhornからGascozarkの間はルートが二通りあり、古い方のRoute 66すなわち、Hwy17→HWY P→HWY AA→HWY ABを通りました。


HWY AB (Laqueyの先):

　緑が多くてなかなか気持ちの良い道です。

　HWY133との交差点まで行くとその先Gasconade 川を渡る1923年の橋は閉鎖されており、I-44を一区間行くようにGuide bookにありますが、どんな状況かを見届けるために橋まで行ってきました。

　　　　　　Route 66, 1923 Bridge over Gasconade River:

　この橋は1923年のものですが、しっかりとガードレールで横に塞がれ、赤い標識で閉鎖されているので、まったく通ることはできません。

　橋の全容は下の絵葉書でみてください。背の高いトラスが3連と、低いのが一つ繋がった橋です。

               Route 66 Bridge over Gasconade River
              (Lebanon Route 66 Museumの展示より)

　このイラスト（写真？）は、西から東方向をみたもので、我々は向こうの入り口でストップをくらったことになります。

　ここで雷がひどくなり、歩いて橋を渡って雷に打たれても怖いので、早々にUターンして引き上げました。

　さて、今日の宿泊地Lebanonには明るいうちに着き、ホテルにチェックインする前に市内のRoute 66 Museumを見物していくことにしました。

　Route 66 Museum (Lebanon Laclede County Museum ) の展示より:

Elm St (Route 66)とJefferson Aveの交差点のジオラマ模型(1940年頃)：

　このジオラマ模型の実物写真を以下に紹介します。

　　Dream Village（ジオラマ模型の中央道路左側の建物、展示より複写）:

　Colonel Nelsonは1933年のシカゴ万博で音楽の泉を見た翌年、旅行者用コテッジをV字型に並べて中心に泉を置く構想が夢に現れたそうです。

　ここからRoute 66を横切るとレコードが大きな音で鳴り、色々な光が泉に点灯したそうです。1977年まで営業したそうです。

Nelson Tavern（ジオラマ模型の中央道路右側の建物、展示より複写）:

　Colonel Nelsonが1930年に開業したそうで、酒は出さないのにNelson酒場と命名したそうです。花壇と繋がっていて、旅行者は165種類のグラジオラスの咲いた花壇を見るためにわざわざ遠回りして訪ねたそうです。また、良い香りの室内はエキゾチックな植物や鳥で満ちていたそうです。Nelson村は1958年に撤去され、今、ここはスーパーマーケットになっています。

　　　　　　　　　　　Route 66 Travel Game:

　子供向けにこんなゲームがあったようです。いわばRoute 66双六でしょうか？（Route 66*66）

　この後、Lebanon市の南はずれのホテルにチェックインし近くの 名物のナマズを食べさせるレストランに行きましたがなかなかグーでした。

　この日の計画通りに行かなかったのは陸軍の博物館に入れなかったこと一つで、ミスコースは皆無でした。ただ蛙岩の写真を撮る時に、路肩に停車しパトカーに注意されたのが反省点でしたが、罰金とならずに幸いでした。

【次回に続く】