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まず本日の走行コースを簡単な図で表示します。
本日の走行コース（Carthage～Baxter
Springs ）
上の画像をクリックしていただくと、大きな画像が出てくるので、それで細部はご覧ください。
大きな画像を戻すには上左部のブラウザーの戻る”←”をクリックすると元に戻ります。
Schifferdecker公園 (Joplin History & Mineral Museumのある公園) を出て、7Th St（ミズーリ州道66）を西へ1マイルほど進むと、往復分離帯のある広い道に変わります。
そこからまた2.4マイル走ると「Historic Route 66は右へ」の道路標識があります。ここは新道と旧道（Old
Route 66 Blvd）の分かれ道で、我々はもちろん旧道を選び、右折します。州境を旧道で超えるためです。田舎道をしばらく走ると、沿道にちょっと建物があるところに出ます。そこが州境です。
ルート66上ミズーリ州最西端の居酒屋HOGS & Hotrods Saloon
居酒屋です。表に車が停まっているものの、人の気配がなかったので、ドアを開けてちょっと覗いてみたら、「おーい、一杯飲んで行けよ！」と声が掛かりました、確かに営業中でした、昼間から。
State Line / Enter Cherokee County, KANSAS
(画像はImages
of America: Route 66 In the Missouri Ozarksより)
これはよく見る写真ですが、これにあこがれて同じポーズで撮影したかったのですが、下の写真のように現在は州境を示す道標はなく、後ろにあった主要都市への距離案内もなかったです。
1957年に新道 (The Will Rogers Turnpike)が開通したのを機に、廃止となったのでしょう。
現在のミズーリ / カンザスの州境
多分後ろの林の木は、昔の写真に写っていた木と同じと思うのですが、道標のあった場所には郵便受けがあるだけです。これは上の居酒屋のすぐ西にある民家のものでしょう。（こちらのお宅の住所はカンザス州ガリナです。）
その代わりカンザスにちょっと入るとガリナ市の歓迎ボードが立っていました。A Happy Placeとあります。
Welcome Board by Galena city
Historic Kansas Route 66は「始まる」の道標
ミズーリ州でブルーだったHistoric Route 66の道標はカンザス州では茶色に変わりました。下にはここから「始まる」の意味で”BEGIN”と書かれています（いたずらでEの字の下の棒がワッペンで隠されており、Fとしか読めませんが）
逆方向からの標識
一方、カンザスからミズーリに入る交通への標識はKANSAS
Route 66はここで”END”という表示になっています。
カンザスに入って、Old Route 66 (Front
St)を進むと、右に鉄道の線路が併走してきます。
広い平原に工場や倉庫のような建物があるあたりで、線路の向こうに錆び錆びの貨物列車（三両編成）が見えました。
車を道路から降ろして眺めてみましょう。
線路脇に錆び錆びの貨物列車が
先頭はディーゼル機関車、次は無蓋貨車（二軸台車付き）、最後は緩急車（車掌車）の三両編成です。
Erie Lackawanna鉄道 #315 / ALCO S1型ディーゼル機関車
かろうじて読める鉄道会社名と315の車両番号から調べて機種が分かりましたが、このALCO S1型ディーゼル機関車はRoad Switcherという機種で、操車場での車両の入換作業だけでなく、一部本線をも走行可能な性能を有する機関車で、50年代に製造されたものだそうです。
2軸ボギー台車付き無蓋貨車
木製の荷台に2軸ボギー台車付きの貨車で、相当な重量物が積めるようです。ここに乗っている巨大なものは採掘用パワーシャベルのヘッドではないでしょうか？向こうから見るとギザギザの歯が着いていました。
緩急車（車掌車）
よく見るとぎりぎり三両分の線路しか敷かれていないので、ここに展示あるいは保管するために、わざわざ敷いた線路と思われます。敷地は道路と本線線路の間の空きスペースなので、多分鉄道会社の土地でしょう。
恐らくガレナの主要産品であった鉱石や機材の運搬に活躍した車両であり、ルート66でガレナへ向かう現代の旅行者に、ガレナの歴史上のヒーローを見せるための展示と思えるのですが？
Old Route 66を更に行くとMain StにT字路でぶつかります。ちょうどその左角にこの”Kan-O-Tex Service Station (Cars on the Route)”はあります。
Kan-O-Tex Service Station (Cars on the Route)
このガソリンスタンドは、ガリナ地区のHistoric
Route 66 の再生で活躍していた4 人の女性によって修復されました。ここを“Four Women on the Route“と名付け、ロードサイド・アトラクションとして数年間運営しました。その後、所有者が変わり、現在は”Cars on The Route”とアニメ映画Carsとのつながりを強調した表示になっています。4人の女性のうちの1人がここに残り、来訪者にその歴史や映画Carsについて語っておられるそうです。我々が行った日は休日でしたが。
51年型International Harvester L-170 Boom Truck（右）と
中央はTow Mater(映画Carsのキャラクター)の模造車
ピクサー映画Carsのスタッフがガリナ近辺をサーベイしていた時、このInternational Harvester L-170 boom truckを見て、映画Carsの主要キャラクターTow Materを思いついたとのことです。写真中央の車はそのTow Materを模して製作されたようで、ベースは55～56年型のシボレートラックです。インスピレーションを与えたL-170 boom
truckは、商標上の理由からTow Materの名は使えずにTow
Taterと呼ばれ、現在も運行可能でイベントなどで要請があれば出張するそうです。
このガソリンスタンド前の道路を隔てた北側に下の建物があり、”Murder
Bordello”「殺人売春宿」と呼ばれています。
現在は修復されていてきれいですが、2012年に修復される前は二つ下の写真のような荒れた廃屋でした。
Murder Bordello (修復後の現在の姿)
(画像はGoogle Street Viewより)
老朽化したビクトリア朝風の邸宅（下の写真）の修復中に、この家には幽霊が出ることがあり「ガリナの血まみれマダム」ことマー・スタッフルバック (Ma Staffleback)が所有していた売春宿だったのではないかと囁かれました。 新聞も1890年代にスタッフルバックと共犯者が、ここで50人もの鉱山労働者を殺害した可能性があると書きたてたそうです。ここは確かにかつて売春宿であり、それと殺人事件は（ガレナの別の場所だったかもしれないけれど）確かに起こっています。
この家がその殺人現場だという確証はないそうですが、現在は邸宅の各部屋にビクトリア朝風の家具が置かれ、鉱山労働者の人形も配置されてミニ博物館のようになっており、恐怖ツアーが楽しめるそうです。
この写真ではよく見えませんが、Route 66の道路標識のポールの向こうのフェンスの中の大木の切株には、作り物の9羽のカラスが群がっていて、恐怖感を盛り上げています。
私は骨董屋かと思って近くをうろうろしてみましたが、中に入ってはいません。なんとなく、近寄らない方がよさそうな気配がしたので。
Murder Bordello (修復前の廃屋)
こんな荒れ放題の家だったようです。最初は4 Women on
the Routeの経営者がレストンにしようと修復を計画したそうです。
草むらのPlymouth
ガソリンスタンド前のMain Stを隔てた西側の草むらに、49年型Plymouthが置いてありました。
この車は大変きれいで、Google Street Viewや他の人の写真で見ると別の場所に移動したりしているので、近辺の人が現役で使っている車のようです。
Main Stを南方向にしばらく進むと7th Stとの信号付き交差点に出ます。
Main Stと 7th Stの交差点のタイル画
この壁画は、ルート66のロードサイド アトラクションとしてあまりにも有名です。
2012 年に交差点を改良するために7th StとMain Stの南西角にある 2つの建物が取り壊されて、 タイル画を作るためにコンクリートの壁が建設されました。
地元の実業家が資金を提供し、”Images in Tile”の二人のデザイナーがデザインしたそうです。また旅行者がゆっくり写真を撮れるように壁画の前に小さな公園が作られました。壁画には今見てきたCars on the Routeと Murder Bordelloが中心に描かれています。
この交差点を右折して、KS-66 (Route 66 in
Kansas)を0.2マイルほど西に進むと、右側にこんな建物があります。
Galena History & Mining Museum
Katy鉄道の古い駅舎を利用したこの博物館は1984 年にKS-66の脇にオープンし、屋内だけでなく屋外の敷地にも展示物があります。
駅舎の裏には追加拡張された建屋があり（この写真では右方向）展示面積は相当広いようです。建屋は駅舎の元のイメージを壊さないように、表からは見えないように追加されています。
閉館時刻が午後4時で、我々が着いたのは14分過ぎていたので、入ることは叶いませんでした。前回に紹介した、ジョプリンの博物館と同様に市の歴史と鉱物に関する両方を展示しているそうです。
元の場所にあったときのKatyの駅舎
この駅は1902年開設だったそうで、場所はFront Stと Main Stの交差点の近くにありました (Murder Bordelloの前の道を少し北に行った場所)。写真の左遠くに見える橋はOld Route 66の跨線橋と思われます。
なお、軒下の板壁にMKTという看板が着いていますが、これはMissouri-Kansas-Texas Railroadの略です。 ちなみにKatyというのは、1890 年代のMKT が一時期、ミズーリ パシフィック鉄道のカンザス - テキサス間の一部門で、略称が「the KT」だったため「Katy:ケイティ」というニックネームで呼ばれたそうです。 1984年にU.S. Route 66の新道KS-66が開通した時に移設され、博物館に改装されたそうです。
Whitcomb shunting Locomotive & Caboose 11680 (Burington
Northern 鉄道)
博物館の建物の脇にウイットコム入れ替え用機関車に緩急車（車掌車）11680号車が連結されて展示されていました。
Army Tank
こういうものも展示されており、ここにはVeterans
Parkの表示があり、退役軍人に敬意を示す場といった所でしょうか？
博物館内の歴史調査は叶いませんでしたが、ここでガリナ市の歴史について少々触れておきます。
ガリナは、カンザス州最古の鉱山町ですが、1876 年カンザス州南東部の岩だらけの丘と砂利だらけの谷間で偶然鉱物が発見されてガリナの街が誕生しました。
発見された方鉛鉱石(galena)にちなんで街の名はGalenaと名付けられました。街は突然活気づき、20 世紀初頭までには人口 3万人近くに膨れ上がり、中部で最も重要な町の 1つになりました。
1926 年にルート 66 がMain Stを通ったことで、多くの旅行者が街に押し寄せるようになり、旅行者を当て込んだ商店などがたくさん誕生して、ガリナは更に発展しました。しかしこれだけの豊かさがあっても鉱山労働者の厳しい生活は依然として続いており、1930 年代には団結した鉱山労働者は血なまぐさいストライキを何度か起こしました。
厳戒令が布かれたガリナのルート66
(画像はImages of America: Route 66 in Kansasより)
1935年6月、数百人の鉱山労働者がストライキを行い、イーグル・ピッチャー精錬所の前でルート66を封鎖したため、カンザス州知事は戒厳令を布き、州兵を派遣しました。鉱山会社によって結成されたブルーカードユニオンのstrike breaker*を乗せた車に銃弾や石が降り注いだそうです。しかし数週間内には多くの鉱山は通常の生産スケジュールに戻り、紛争は沈静化したそうです。
*strike
beaker:労働組合紛争前には会社に雇用されていなかったが、会社の操業を維持するためにストライキ中に雇用されて働く人のこと。
Galena History & Mining MuseumからKS-66(カンザス州道66)を西に3.3マイル走ると右にこのお店があります。
Nelson’s Old Riverton Store
ここは国家歴史登録財指定の建物で、1920年代の珍しい様式で、店内は1925年から殆ど変わっていないそうです。建物の天井にプレスのブリキ板が使用されています。
店の前には長年にわたりガソリンポンプがあって石油会社にリースされていたそうです。
店自体は食料品から雑貨に至るまで、靴、衣類、牛乳、生肉など多種多様な商品を扱っていました。顧客のほとんどは地元の人々でしたが、20 年代後半から50 年代にかけて交通量が増加したルート 66 沿いで重要な役割を果たしてきました。
経営者は種々変わりましたが、73年にアイスラー夫妻が購入し、次いで甥のスコット・ネルソン氏が2011 年にこの店を購入し、現在に至っています。 ネルソン氏はカンザス州ルート 66 協会の会長だそうです。
さらに西に進むとU. S. Route 400とのラウンド・アバウトの交差点が現れます。これを時計方向で12時の方向を進むとBeasley Rd (Old Route 66)に入ります。これを1.4マイルほど進むと「Historic Route 66は右折」の道路標識が出てきます。
ト形道路交差点をそのまま直進すると、かつてのRoute 66の新道で、右折するとOld Route 66になります。もちろん右折して、下の写真のレィンボーカーブ橋を渡ります。
Rainbow Curve Bridge over Brush Creek
1923年建造でRoute 66唯一の Marsh Rainbow Arch橋*です。1983年に国家歴史登録財に指定されており、現在は西南方向だけの一方通行で自動車が通れます。
Brush Creekを渡るこの橋のすぐ右に、写真で分かるようにRoute 66の新道が別の橋で通っています。
*Marsh Rainbow Arch橋とは橋梁設計家James Barney Marsh氏の特許で、虹型の鉄骨アーチをコンクリートで補強した構造の橋を言います。
橋を楽しんだ後、道はすぐ脇を通る新道に合流し、50th
Stを南下します。2.7マイルほど南下すると、Baxter
Springsの住宅街にはいり、道は左にカーブして、U.S. 69A (Military Ave)に出るので右折します。これがBaxter Springsの街に入る Route 66の道筋です。街の中程に来ると、道の左側に下に示す建物が見えます。
Baxter Springs 66 Gas Station
1930年に開業すると、このチューダー様式の建物は市民の注目を浴びます。
扱う石油ブランドは種々変わったようですが、Phillips 66 が1958年まで所有していて、その後も石油会社は変わったようですが、1970年にガソリンスタンドをやめて、オフィスに改造されました。
2003 年にこの建物は国家歴史登録財に登録され、2005 年にバクスター スプリングス歴史協会が土地を購入し、国立公園局の補助金や地域社会の支援を受けて、2007 年に建物を40 年代の外観に復元したとのことです。現在はビジターセンターとなっており、この季節はボランティアが常駐しているとのことでしたが、時間が遅かったためか閉まっていました。
今日は街の南端のBaxter Innを予約しており、チェックインしてから夕食に出ました。
夕食はお酒を飲めるレストランに目星をつけてあって、住宅街にあるRed
Ball Bar & Grillに入りました。
Red Ball Bar & Grill
地元の皆さんがにぎやかに演奏をしていました。
今晩の食事メニューは
大きなパン付きのスパゲッティミートソースです。
渡邉君は酒を一滴も飲まないので、車で帰るのに助かります。三輪はバーカウンターに行って、地元の瓶ビールを何本か飲みました。
突然、背後の席から声が掛かりました。
左の女性はJanetさんといい、米国大手スーパーにお勤めだったそうで、日本のスーパーの指導のため日本に駐在経験がおありで、我々に興味をもたれたようです。
日本での駐在地はUshikuと言っておられました。
旦那さんもご一緒で、この写真は旦那さんに撮ってもらいました。Facebookによると旦那さんはすごいCorvettをお持ちで、うらやましい限りです。
今日も見学が盛りだくさんで写真枚数が多くなりました。次回は翌日のレポートになります。
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