Springfieldではお祭り現物と休養のため特別に一つのホテルに3泊しましたが、今日は次の宿泊地Carthage（カーセッジ）へ移動です。

　まず街を出る途中で、土曜日に入ろうとしたけど、閉館時刻ぎりぎりで入れなかったRoute 66 Car Museum を見物します。

　なお、この日は見どころが多かったので、前・中・後編の3回に分けて報告します。



　Route 66 Car Museum




　Route 66 Car Museum内部

　個人コレクターのクラシックカー、スポーツカーなど67台が展示されているそうです。
　映画やTVに出演した車などが種々収蔵されていました。



　26 Hudson Truck （Hudson Super Six）

　この車は、現地では気が付きませんでしたが、1939年のJohn Fordの映画「怒りの葡萄」に出演した大スターなのだそうです。レーシングカー型ですが、映画に出た時は下の写真にあるようなトラックとして出演しています。説明によりますと、撮影後69年間、映画に出演した形のままでカルフォルニアに放置されていたものを、買った人がレストアしようとしたところ映画の状態に復元するのは難しく、元のHudson Super Sixのレーシングカーに復元したのだそうです。

　「怒りの葡萄」に出てくるJoad家のトラック 　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（映画：「怒りの葡萄」の画面から）

　映画ではJoad家はオクラホマ州サリソーの痩せた土地を捨て、このトラックに一家・家財を満載してルート66を夢のカルフォルニアに向かいます。その撮影用トラックのエンジン・シャシーにHudson Super Sixレーシングカーを使ったというのです！

こんなオンボロトラックのシャシーがレーシングカーだったなんて信じられない話です！

　映画”Ghostbusters”に登場した ECTO-1  (2016年版映画 公式プロモート車5台のうちの1台)

　初代ECTO-1は1959年Cadillac霊柩車がベースでしたが、これは84年型Cadillac 霊柩車がベースです。



　71 Gotham Roadster　

　これは映画”The Batman”に登場するBat mobileのレプリカで、リンカーンのシャシーを使って作られたそうですが、アフターバーナーを除いてすべて再現されているそうです。（オリジナルは有名なデザーナー兼ビルダーのG.バリスが1955 Lincoln Future(イタリア・ギア社製)のコンセプトカーを改造して製作した）ちなみにGotham(ゴッサム)とはbatmanが住む架空の都市名だそうです。



　32 Ford M-1 (Grate Race出場車)

　この車はニックネームを「爆弾」といい、もとは1932年型Fordですが、雑誌”Mechanix Illustrated” 1951年11月号（下の写真）に沿って改造され、当初はレースに出場していたようです。
　現オーナーに買い取られてから、過去10年間、米国横断Great Raceに出場しており、参加車120台中、常に上位15台には入っているそうです。



　　　　　　　　　　　　　　雑誌Mechanix Illustrated 1951年11月号
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　表紙のレーシングカーの改造要領がこの雑誌に詳しく掲載されているようです。



　70 Buick Skylark：Great Race出場中の電気火災車

　博物館のオーナーが奥さんに買ってあげた新車だったそうですが、2014年、奥さんを言いくるめて3日間のチャタヌーガGreat Raceに出場したそうです。出場中にボンネットの中で電気による火災が発生し、消防が到着するのに15分を要し、来た時には、後席まで燃えていたそうです。なるほど「怒りの葡萄」Hudson Truckを間に挟んで、Great Race参加車Ford M-1の隣に展示されていました。



　07 REO Model G

　8馬力、水平Lヘッド一気筒エンジンを搭載。110年を経てますが、現在でも運転可能だそうです。R.E.O Motor Car Companyは日本ではあまりなじみはありませんが、1904年にRansom E. Oldsにより創設されました。彼は既に1897年Olds Motor Vehicle Companyを設立して、1901年にCurved Dash(くわしくはこちら) で米国初の大量生産・低価格を達成していた（Ford Model Tより先に）のですが、社長の座を追われ別にR.E.O.社を立ち上げました。R.E.O.社はこの1907年、全米でFord, Buickに次ぐ第三位の販売台数を記録したそうで、会社は1936年まで継続されました。日本では柳瀬自動車が輸入しレオ・ブランドとして販売していたようです。



　館長?と渡邉君

　仲良く記念写真。渡邉君は体格でも負けていませんね。



　Car Museumを出て10マイルほど西に進むと、”Modern Cabins”というサインポールの建つConocoのガソリンスタンドがあります。


　　　　　　　　　　　Graystone Heights Modern Cabins
　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　"Modern Cabins"のサインポールとConocoのガススタンド
　　　　　　　　　　　　　　（荒廃していたけれど修復されたものです。）

　Graystone Heights　　

　　　　　　　　　　　　　　（Images of America Route 66 in the Missouri Ozarks誌より ）

　ここには、1935年にミズリー原産の石で6棟のキャビンが建てられました。のちにガススタンドなどの設備が追加されて繁栄しましたが、1960年代にRoute 66に並行した州間道路I-44が開通すると廃れました。
　しかし1963年にはR&S Floralという会社が買い取って整備し、活用していますが、最近グリーン郡の歴史的建造物に指定されたそうです。



　グリーン郡歴史的建造物（現在）

　敷地内で葬儀用の造花等を製造しています。

　R&S Floral社のMemorial Decorations作業場

　敷地内の倉庫で作業していました。ここの経営者らしい人が敷地全体を案内してくださり、最後に工場の隅の衣桁に掛かったTシャツで好きなのをもっていっていいよとお土産にくれました。


　Route 266を更に8マイルほど行くと街道沿いにHalltownという小さな町があり、沿道に骨董屋さんがあります。Halltownには骨董品が1マイル四方あちこちから、ここに集まってきたものだとのことで、1950年代にはこの人口100人に満たない町には骨董屋が少なくとも7軒あったそうです。


　Halltownの骨董店”Whitehall Mercantile ”

　この店は夫婦で経営されていたけれど、2010年4月に奥さんが亡くなり、旦那さんは2016年のクリスマスに店を閉めたそうです。店内を覗いてみると品物は陳列したままで閉っていました。



　Route 266　 (Whitehall Mercantileの前)

　Route 266は森の中をアップダウンして走る空いた道です。このRoute 266はSpringfieldからこのHalltown先でMissouri州道96に繋がる国道 Route 66だったのです。が、これにほぼ並行して新たに開通した州間道路I-44フリーウェイにはI-44と併せてRoute 66の名前も冠せられ、元のRoute 66はMissouri州道 266という名に格下げとなったそうです。Route 66旧道を楽しむため、我々はこちらを走りました。

この日の旅はまだまだ続くのですが、見どころが多く写真が多いので、報告はあと二回に分けてします。

請うご期待。