我々の走行したコースをより良くご理解いただくために、本日の走行コースを簡単な図で表示することにしましたので、ご利用ください。

　　　　本日の走行コース（Springfield～ Carthage ）
　
　　　　　

　この画像では細かくて良く見えないと思います。上の画像をクリックすると、大きな画像が出てくるので、そちらをご覧ください。

　迂回は、南に行けとなっていたので、すぐに左折して南下しました。

　大分走ると、Mt Vermonという町があり、ちょうど昼時だったので、沿道のGas Stationに併設されたCasey’s General Store で手っ取り早く昼食を済ませ、迂回路に戻りました。道路標識の案内に沿って走ると道は北上し、元のミズリー州道 96の延長上に復帰できました。（相当な距離の迂回路でしたが）




　迂回から復帰した後のミズリー州道 96

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（画像はGoogle Street Viewより）


　このような平原の中の真っ直ぐな道を西に進むと、次の訪問地RED OAK IIへ向かう郡道130との交差点があります。交差点には分かりやすく、錆びたクラシックトラックが空中に飾ってありました。ここでRoute 66を離れて北上します。



　RED OAK IIへの目印　　　　　　　　　　　　　　　　　　　撮影2017年8月14日

　錆びたクラシックトラックに、帽子を被った農夫と犬が乗った鉄板オブジェの道案内です。Route 66アトラクションとして期待が高まります。


　2マイルほど行くと野原の中に人家が見え、古風な建物と古い電車を利用したDiner(食堂) が置かれています。


　RED OAK IIの入り口

　電車の屋根にRED OAKと表示があります。

　ここがRed Oak Ⅱで間違いないようですが、実はここを訪ねるにあたり経営者Lowell Davisさんの奥さんにあらかじめ日本から連絡を取ってあり、お土産を持参してきました。

　彼女に電話をしてみると「今買いもので街に出ているの。すぐ帰るから少し待っていてちょうだい」とのこと。


　ハテ? 勝手に入ってもよいものやらさっぱり分からないけど、あたりに人影はありません。恐る恐る中へ入ってみると芝生に錆びた車や飛行機が並べてありました。

　Lowell’s Metal Sculpture Park




　軽飛行機の残骸かと思ったのは、波板やトタン板などでそれらしく作ったオブジェ作品でした。




　椅子に座って待つことに・・・

　恐る恐る奥の居住区らしいところまで侵入すると椅子があったので座って待つことにしました。普通の個人宅なら銃で撃たれても文句は言えない行動ですね。



　奥さんが帰るのを待つ間にRED OAK IIとは何なのかを説明をしておきます。一言でいうと1930～40年頃の村を再現した野外博物館風テーマパークというのが近いです。

　広ろ～い敷地に古い建物を多数移築してあり、空き地には当時の車の残骸や、飛行機、オブジェ作品などを並べて雰囲気を出しています。

　もちろん厳密な博物館ではなく、芸術家Lowell Davisさんが感じるままに心のふるさとを再現した作品というべきでしょう。ご自宅、ギャラリー、従業員の住居も敷地内にあるようです。

　先代のRED OAKは、ここから東に十数マイルの場所で彼の父親が経営されていたそうですが、地域開発の影響で閉鎖を余儀なくされ、息子であるLowell Davis氏が後に自分が育った故郷を再現しようと、ここの地に移設したそうです。

　　
　では敷地内にどんな建物や車があるかをまとめて紹介します。



　敷地内の建物紹介






　置かれた車たち





　奥さんが帰って見えて、アートギャラリーの中に案内され、Lowell Davisさんに会うことができました。


　Lowell Davisさんと渡邉君と三輪      

（なお、Lowellさんは2020年11月にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。なお、この施設はご遺族が引き継いで維持管理されておられるそうです。）

　Art Gallery内部

　Lowellさんの作品が所せましと展示されています。


　記念に頂いたPost Card Collection (彼の絵をはがきにした24枚入り)の冊子とサインを頂きました。


　　　　　　　　　　　　　記念に頂いたPost Card CollectionとLowellさんのサイン
　　　　　　　



　Davisご夫妻にお別れした後、もう少し奥まで見せて頂きましたが、建物の間の庭になんと本物の飛行機が置かれていました！

　Beechcraft Model 18の残骸

　日本で飛行機に詳しい人に写真を見せて聞くと、Beechcraft Model 18だそうで、1937～70年の間に9000機以上も製造されたそうです。

　エンジンが外されたりしているので、詳しいサブタイプは特定できないけれど、機体のバリエーションは民間型で21タイプ、軍用で38タイプもあった飛行機だったそうです。

　これは軍用機か民間機か分かりませんが、Lowellさんは1974年にテキサス空軍から退役してここに戻られているので、それと何か関係があるのかもしれません。

　庭に本物を置くなどアメリカならではの豪快さです。



　RED OAK IIをさよならして、州道96に戻りCarthage方向に行くとこんな飛行機を飾ったGas Stationがすぐにあります。

　Flying W Convenience Store

　店の看板としては随分目を引きますが、

　これもLowell Davisさんの作品

　こちらは大きな車輪が4個ついた複葉機ですが、なんでも肥料散布用の古い飛行機で作ったLowell さんの作品だそうです。



　この店の南側に道路を挟んでKellogg Lakeと言う湖があります。新しく建設するRoute 66（より真っ直ぐに広くした新道）の路面をかさ上げするために土を掘った跡にSpring Riverから水を引いた人造湖だそうです(工事は1954年頃)。

　湖の周辺は公園となっておりそれ以前のRoute 66がBYWAYとして湖を囲むように残っています。

　Spring River沿いのOld Route 66 BYWAY (Easterly Drive)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(画像はGoogle Street Viewによる)

　川の周辺のOld Route 66は1954年以前の舗装のままだそうです。



　Blue Star Memorial Highwayの碑

　この公園内の芝生に建っていました。Blue ★ Star Memorial Highwayとは、米国を守るアメリカ軍に敬意を表してマークが付けられた米国のハイウエイだそうです。ミズリー全米ガーデン クラブがミズリー州交通局、”カーセッジ・フローラル・スタディ・クラブ”、”ミモザ・ガーデン・クラブ”と協賛してこの場所を指定したようです（公園の周囲は全部Route 66だからMemorial Highwayなのでしょう）。具体的な活動例としては、公園の改修、沿道の植樹や手入れ、紛失破損した標識の整備・修復などを行っているようです。このようなボランティア団体がしっかりしているので、美しい景観が保たれているのですね。



　観光はこのくらいにして、今日のモーテルに急ぎましょう。今日はMissouri州最後の宿泊となります。

　Boots Court

　Carthageの街に入りRoute 66とU.S. Route 71(米国を縦断する旧国道)が交差するあたりにあります。

　1936年に建てられRoute 66では最も有名な老舗モーテルです。もちろん日本から予約してきました。

　昔のBoots Court

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(写真はImage of America Route 66 in Missouriより)

　ご覧の通り、外観は今と殆ど違っていません。奥に別棟の建屋が見えるので1942年（後方に増築された）以降の写真と思われます。

　殆ど廃墟だったようですが、2011年に修復されて現役です。

　Check-in Counterにて

　さて、チェックインの様子です。
　いつものように三輪が一人で受付に入りました。渡邉君は表の車の中で待っていたのですが、私がちっとも帰らないので「どうした？！」と心配になって飛び込んできました。

　実は受付のDebbieさんは、われわれが日本からのRoute 66好きの客と分かり「今までどこを見たのか? これからどこへ行くのか?」など細かく訊かれ、話が弾んでいるうちに随分時間が経ってしまいました。

　彼女はここの従業員ではなく、Route 66が好きでボランティアで受付をしているとのことでした。Debbieさんのような形でRoute 66に関わっておられる方をSixty-Sixerと呼ぶようです。


　ところで珍しいものを紹介します。

　　　　　　　　　受付の隅に置いてあったテレビとラジオとレコードプレイヤーの複合機
　　　　　　　　
　丸型ブラウン管は古いオシロスコープに使われているのを見たことはありますが、テレビに使われていているのを見るのは初めてです。

　左の木製のドア内にはラジオ、アンプ、レコードプレイヤーが納まっています。


　ネットで調べると、同じものが出てきました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　Zenith-h3267r-1951
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1951年頃のモデルのようです。

　部屋の中

　我々の泊まった部屋は、増築された後方の建屋の一部屋でしたが、室内はこんな様子で、きっと元の時代を再現しているのでしょう。

　壁の額縁の絵

　トイレ、洗面所などの壁には、このような懐かしい額絵が飾られて、昔のアメリカの雰囲気を出していました。



　おっと！これを忘れてはいけません。


　　　　　　　　　　　“Phillips 66 Gas Station” by Lowell Davis

　　　　　　　　Lowell Davisさんの作品が部屋の壁に掛かっていました。




　今日見てきたRED OAK II内に建っていたPillips 66 Gas Stationと認識できますが、周辺の景色から察すると実際にRoute 66で営業していた頃の風景と思われます。

明日の探訪も含めて彼はCarthageの街にいろいろな影響を与えていることを知らされます。

　今日の行程は大変に見どころが多い一日で、三回に分けて報告をしましたが、いかがだったでしょうか？

　我々は疲れて、ぐっすりと深い眠りにつきました。

　明日はミズリー州の残りを抜け、旅はいよいよカンザス州に入ります。