本日の走行コースを簡単な図で表示します、今日の走行区間は最終日で、VinitaからTulsaまでです。

  本日の走行コース（Vinita～Tulsa）

  上の画像をクリックしていただくと、大きな画像が出てくるので、細部はそれでご覧ください。

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  今日はルート66の旅も最終日で、今晩はTulsa国際空港近くのClarion Innに宿泊し、翌6:45発の飛行機で帰国します。

  当初の予定ではホテルに早めにチェックインしてからオクラホマ州Chandler（Tulsa空港から片道72マイル）まで行って、McJerryさん(Route 66の専門家)にご挨拶する約束をしていたのですが、偶然にもSpringfieldのお祭りイベントでお会いできたので、行く必要はなくなりました。

  ということで、予定のロードサイドアトラクションをゆっくりと見てまわりました。

  まずはホテルを出て、昔のルート 66であるRoute 60&69に乗って西へ行き、一旦ルート66から1ブロック離れますがEastern Trails　Museumに行きました。

  Eastern Trails Museum

  着いたのは朝8:20頃でしたが、開館は11時とのことでとても待てません。入れれば、ルーズベルトの記念碑の場所が何の跡であったのかなどの情報が得られたかもしれませんが…

  US Route 60&69へ戻り、西へと進みます。途中、Route 69は南へ分岐してRoute 60だけとなりますが、しばらく行くとRoute 60は北西に分岐し、西に進むのはオクラホマ州道OK-66になります。

  このOK-66は今日の目的地タルサを越えて続いています。これは、近くを通る州間道路I-44 (Will Rogers Turnpike)が有料のこともあって、地元民に不便のないように従来のUS Route 66をそのまま残して、オクラホマ州道66として生かされているのです。この辺は二車線ですが、途中、中央分離帯付きの四車線道路になったりして、50～60年代の隆盛時のルート66の雰囲気を楽しむことができます。（もちろん沿道に残るのは廃業した建物やゴーストタウンだったりもしますが）

  C & L Used Cars Antique & Classic Cars

  White Oakの街の近くの沿道にこんな中古屋さんがあります。写真中央は48～53年型Chevrolet Truck($1500)

  C & L Used Cars Antique & Classic Cars 続き

  中央は39 FORD TUDOR SEDAN($2500)  右は37 GMC Pick-Up Truck ($3500) ですね。

  C & L Used Cars Antique & Classic Cars 続き]

  こちら左は41年型 Buick Super Coupe($4500)　右は41～47年型Chevy Truck(ヘッドランプとボンネットがないですが)

  普通に道を走っていて、こういう70～80年前の旧い車に出会えるなんて、幸せな国ですね。でも、それなりの価格はするようですが、この値段で売れるのかしら？

  ルート66旅行者へのアトラクションも兼ねているのでしょう。

  White Oakの古い製材所

  中古自動車屋さんの少し先ですが、OK-66道路の西側を並行して通る線路の向こうにこんな大きな旧い建物が見えます。

  1895年頃、一人の商人が畜産場を建設し、近くの住人を集めて町がつくられました。町の名前はこの地域に多くの白樫の木が生えていることにちなんでWhite Oakと付けられました。

  フリスコ鉄道がこの町に支線を伸ばして、牛の主要な出荷地として50年ほど栄えたそうです。 干し草の出荷も盛んで、線路沿いに干し草小屋がいくつかあったそうです。




  ここからOK-66を10マイルほど進みます、途中で中央分離帯付きの四車線道路に変わりますが、ここでOld Rt 66が楽しめます。

  Pryor Creek Bridgeへの入り口――Old Route 66 (4260 Rd)

  Chelseaの街の手前にこんな道があり、Old Rt 66のPryor Creekに架かる橋が残されています。林の奥に橋のトラスが見えます。



  Old Rt 66への入り口付近のOK-66

  4260Rdに入る手前のOK-66は、こんな風に州間道路並みの中央分離帯のある四車線道路です。

  Pryor Creek Bridge

  この橋は1926年に建設され、橋を迂回する新しいRout66が開通する1932年までルート66の交通に供されました。橋は長さ123 フィート、全幅は 19 フィートです。 設計はプラットトラス型*の変形デザインだそうでこのデザインとしてオクラホマ州では唯一残る橋だそうで、2006年に国立歴史登録財に登録されています。(と近くに建っている石の碑に書いてありました)

  *プラットトラス構造：斜材が中央に向かって下向きになっているトラス構造のことです。 斜材を逆ハの字に配置し、上弦材、下弦材、鉛直材によって構成されています。 プラットトラスは長い斜材が主として引張力を負担し、短い垂直材は圧縮力を負担する構造になっています。



  犬の散歩をする祖母と孫？

  橋の向うから、犬を連れたおばあさんと娘さんが歩いてきました。交通はほとんど無いし、憩いの散歩道なのでしょう。

  ちなみに橋を渡った向こうはChelseaの東の郊外に当たる集落があります。

  橋を渡り集落を抜ける1st Stを進むとOK-66にぶつかりますが、その交差点に廃業したモーテルがあります。

  Chelsea Motel

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(画像はGoogle Street Viewより)

  はっきり分かりませんが1936年頃に建てられたようです。シンプルな建物に6つの個室があったそうです。しかし1946年から1953年の間に全国のモーテル数が二倍以上に増え、競争が激化してエアコンなど多大な設備投資が必要になり、経営が圧迫されるようになりました。また1953年には州間道路が別の場所に開通し、ルート66を頼りに生まれたここのビジネスは70年代に終焉を迎えることになります。

  左側の広いルート66の新道沿いにネオン看板がたつ人気のモーテルだったそうですが…ネオン看板にはエアコン装備の表示があります。ここも国立歴史登録財に登録されています。

  この交差点を左折して、OK-66を少し行くと6th Stとの交差点があります。

  そこには珍しいものが…

  Pedestrian Underpass(歩行者用地下通路)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(画像はGoogle Street Viewより)

  これはルート66を横切る歩行者専用地下道です。4 車線のルート 66 が非常に交通量が多かった時代に、小学生や教会に行く老人などが安全に道路を渡れるように建設されたものです。 現在でも、歩くことができるそうです。

  車で通った時は、そうとは知らなかったので中を見ませんでしたが、内部には壁画があるようです。（現在、この交差点に信号機はありますが、横断歩道らしきものは見当たりません。）

  OK-66を更に進み、Foyilという街の入り口からOK-28Aが東に延びているので、左折して緑が濃いアップダウンの多い道を4マイルほど進みます。

  すると道路脇にこんな公園が現れます。

  Ed Galloway’s Totem Pole Park

  この公園は14 エーカー (5万7千平米) の敷地内にトーテムポールなどの作品が11個と建物が1つあります。

  Ed Galloway氏は軍人でしたが退役後に木の幹に彫刻を彫るようになり、それが評判となってチルドレンホームの手工芸の先生として働きました。退職して1937年からこの地に住み着き、これらの作品を作り始めたそうです。 1962年に亡くなるまでここに住み、公園で働いたそうです。その後彫刻は劣化し始めたので 1990 年代には、カンザス州草の根芸術協会が大規模な修復をして 屋外の彫刻は修復、再塗装されました。この公園は 1999 年に国家歴史登録財に登録されています。

                             世界一高いトーテムポール
                     

  エド・ギャロウェイ氏は、高さ約 90 フィート (27 m) のトーテム ポールを1948 年に完成させました 。
  トーテム ポールの根元の幅は 30 フィート（9 m) で、カメの背中に乗っており、彫られた彫刻はアメリカ先住民の創造物語にちなんだものだそうです。このトーテム ポールは6 トンの鋼鉄、28 トンのセメント、100 トンの砂と岩を使ったそうです。

                               同上、世界一高いトーテムポールの裏側　
                    
  内部への出入り口の上に完成年1948が見えます。周りには約 200 枚のレリーフでアメリカ先住民の肖像画、シンボル、動物の姿などが色鮮やかに彫られています。

  なお、この トーテム ポールの下部の修復は08～09 年に、また上部は15 年～20 年に行われたそうです。

  図柄の説明は私にはできませんが、上から順にアップでお楽しみください。

   先住民の像など







　　　　　　　



　　　　　　


　
　Fiddle House (バイオリンの家)

　これは11角の建物です。内側と外側が 25 本のコンクリート トーテム ポールで支えられています。 以前は、彼の手作りのバイオリン（約400個もあったそうです）、手作りの家具、米国大統領のレリーフの肖像画が保管されていたそうですが、それらの多くは 1970 年に盗難にあってしまったそうです。90年代の修復時にここは博物館およびギフト ショップとして生まれ変わりました。開館時刻は12時からだったので、内部には入れませんでした。



　昔のFiddle House内部と生前のEd Galloway氏

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(画像はImages of Route66 In Oklahomaより)

  盗難に遭う前のバイオリンの家の中の様子とEd Galloway氏です。



　　　　　　　　　　　　　　　別のコンクリートトーテムポール
　　　　　　　　
　　　　　　　こちらは少し小さいトーテムポールです。なんとなく岡本太郎の作品を思い起こします。

  来た道をFoyilまで戻ります。OK-28Aと OK-66が交わる交差点のすぐ手前にPoplar Stが通っていてそれを南にOK-66に沿って少し進むと、Andy Payne Blvdと4th Stが作る三角州のような土地に”1928 Rout 66 Footrace Marker”が建っています。



　1928 Rout 66 Footrace Marker

  三角の土地の松の木の蔭にこの記念碑はあります。
  碑には大略こう書かれています「1928 年のルート 66 フットレース　アンドリュー H ペインは、1928 年の大陸横断競走 (ロスアンジェルス→ニューヨーク) 3423.5 マイルで、573 時間 4 分 34 秒の世界記録で優勝しました。 「ランニング競技史上最も偉大な長距離ランナー」 彼は家族の農場から8マイル離れたフォイルの学校まで走って練習していた。」

　　　　　　　フットレースの公式プログラム (Afton Stationに展示されていたもの)
　　　　　　　　　　　　　
  このレースは、1926年に大陸横断で開通したルート66はまだ未舗装部分も存在して、よく知られていなかったので沿道住民に周知する良い方法はないかと議論した結果、全区間をランニングで横断するという競技が計画、実行されたものです。

  続いて翌年にも開催されたそうです。　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　石のルート66の標識のマーカー
　　　　　　



　　　　　　Footraceの碑の裏の芝生にひっそりとルート66の標識を彫った石が埋められていました。
　　　　　　
  この碑が何を示すのかよく分かりませんが、ここから始まるOld Rt 66 Andy Payne Blvdの起点なのかもしれません。



  ここから、Andy Payne Blvdを0.8マイル進むとこんどは広い野原に銅像が建っていました。

  Andy Payneの銅像

  銅像の下にも、彼を称える銘板がありました。
  それには「アンドリュー・H・ペイン (1907-1977) は 1928 年の大陸横断フットレースで優勝しました。このレースは1928年3月4日にロスアンジェルスを出発し3,423.5 マイル離れたニューヨーク市で同年5月26に終了しました。アンディはチェロキー族の血を引き、フォイル高校を卒業し、オクラホマ州最高裁判所の書記官を 36 年間務め、オクラホマシティ大学で法律学の学位を取得し、米陸軍に勤務しました。」とありました。ここFoyilの名士なのです。



  ということで、時間はまだ午前10時23分ですが、残りは中編、後編で報告をします。